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第8章

仮面城(日文版)-第8章

小说: 仮面城(日文版) 字数: 每页4000字

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 金田一耕助が、気がくるいそうに思ったのもむりはなかった。
 ダイヤモンドのような宝石類をはかるには、カラットという単位が使われるのだが、一カラットは〇.二グラム。これだけのダイヤなら、少なくとも二百カラットはあることだろう。
 いままでに発見された、世界最大のダイヤモンドは、九七一カラットということになっているが、これは|原《げん》|石《せき》の大きさで、加工されたり、小さく切られたりするので、完成されたものとしては、英国皇室に秘蔵される『山の光』の一〇六カラットが世界最大といわれているのだ。
 一カラットでも、そうとう高い値段なのだから、それが、大きくなればなるほど、とんでもない値段になってくるのだ。金田一耕助がいま、何十儯伟賰|といったのも、けっしてうそではなかった。金田一耕助と文彦は、息をのんで箱のなかを見ていたが、そのときだった。三太がとつぜん、とんきょうな声をあげたのである。
「お、おじさん、こ、これじゃありませんか。このダイヤじゃありませんか」
 三太が見つけたのは、畳の上に投げだしてあった夕刊だった。金田一耕助と文彦は、三太の指さすところを見て、おもわずアッと息をのみこんだ。

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“世界的|大《だい》|宝《ほう》|冠《かん》消ゆ!……怪盗、銀仮面のしわざ……時価数百儯鼉摇ⅴ圣兢颏膜膜嗔膜违昆ぅ洹
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 そんなことばが六段ぬきの大見出し、大きな活字で書いてあるのだった。
 三人は息をのんで、無言のまま、しばらくこの活字をにらんでいた。

     大宝冠

“世界的大宝冠消ゆ!……怪盗、銀仮面のしわざ……時価数百儯鼉摇ⅴ圣兢颏膜膜嗔膜违昆ぅ洹
 ああ、ひょっとするとこの事件と、文彦のもらった黄金の小箱とのあいだには、なにか関係があるのではあるまいか。
 それはさておき、その夜は三人いっしょに、眠られぬ一夜をすごしたが、夜明けを待って金田一耕助が、文彦や三太を連れて、やってきたのは|桜田門《さくらだもん》の警視庁。|等《と》|々《ど》|力《ろき》警部に会いたいというと、すぐ応接室に通されて、待つ間ほどなくあらわれたのは、四十五、六歳の|血色《けっしょく》のよい人物。それが等々力警部だった。
「やあ、金田一さん、しばらく。おやおや、きょうはみょうな連れといっしょですね」
 警部はふしぎそうな顔をして、文彦と三太少年を見くらべている。金田一耕助はふたりを警部にひきあわせると、
「じつは、警部さん、きょうきたのはほかでもありません。銀仮面のことですがね」
 と、金田一耕助が口をひらいたとたん、警部はひざをのりだして、
「金田一さん、そのことなら、こちらからご相談にあがろうと思っていたところです。いやもうたいへんふしぎな事件でしてね」
「そうらしいですね。新聞でひととおり読んではおりますが、どうでしょう。もう一度、くわしくお話しねがえませんか」
「いいですとも」
 と、そこで警部が話しだしたのは、つぎのようなふしぎな事件だった。
 日本でも指おりの宝石王といわれる、|加《か》|藤《とう》|宝《ほう》|作《さく》老人のもとへ、世界的大宝冠をおゆずりしたいという手紙がまいこんだのは、四、五日まえのことだった。手紙のなかには、何枚かの写真がはいっていたが、その写真を一目見たとき、さすがの宝作老人も、思わずウ啶趣Δ胜盲皮筏蓼盲俊
 そこにうつっているのは、世にも珍しい王冠だが、宝作老人がうなったのは、その王冠に感心したためではなかった。その王冠にちりばめられている、六つのダイヤの大きさなのである。
 いままで世界で知られている、どんなダイヤだって、足もとにもおよばぬような大粒ダイヤ。もしも、これが本物とすれば世界に二つとない大宝冠なのだ。宝作老人はもうほしくてたまらなくなったが、それでも用心ぶかい老人のことだから、じぶんがでかけていくまえに、目のきいた支配人をさしむけた。
 ところが、その支配人も、すっかりおどろいて帰ってきた。それはたしかに本物だったのである。あの大きさ、あのみごとさでは、うたがいもなく、何十儯⒑伟賰|という値うちの品物だというのだ。
 さあ、宝作老人はそれがほしくてたまらなくなった。全財産を投げだしても、それを手にいれたいと思いこんだのだ。しかし、それと同時に、宝作老人がふしぎでたまらなかったのは、その大宝冠の出どころだった。
 宝作老人は専門家のことだから、世界的なダイヤはみんな知っている。どこにどんなダイヤがあるか、どこのダイヤはどのくらいの大きさか、そんなことを、すみからすみまで知っているのだ。しかしこんどのダイヤのようなものは、いままで一度もきいたことがなかった。だいいち、これだけ粒のそろった大きなダイヤは、まだ歴史にあらわれたことがなかったのである。
 宝作老人はもう一度、じぶんの目でたしかめてみたいと思った。そこで、いろいろ交渉したあげく、支配人といっしょに、もう一度、大宝冠を見せてもらうことになり、先方の指定の場所へのりこんだが、それがきのうのことなのだった。

     十二個のダイヤ

 その場所というのは、新宿にある小さなホテルの一室だった。
 先方の男というのは、背の低い、人相のよくない人物で幛亭颏堡皮い毪趣长恧ⅳい摔猡Δ丹螭丹ぃ郏!袱Δ丹螭丹ぁ工税悖莞肖袱筏俊¥蓼堡摔胜摔摔婴à毪韦ⅳ筏袱澶Δ婴婴筏皮い毪趣长恧⒈ψ骼先摔摔猡い盲饯Δⅳ浃筏激铯欷俊C蓼à希殹钉郅健罚ā钉铩罚钉瑜贰罚邸钉筏趣い盲郡ⅳ长欷媳久嗓Δ铯椁胜ぁ
 しかし、六個のダイヤは本物だった。宝作老人があらゆる知識をふりしぼって眨伽皮撙皮狻ⅳ嗓Δ筏皮獗疚铯趣筏激à胜い韦扦ⅳ搿O嗍证卧挙摔瑜毪取ⅳ饯未蟊冥稀ⅴē弗抓韧跫窑舜﹣护à椁欷皮い郡猡韦恰ⅳⅳ斡忻圣渐恁猊笸酩伪ξ铯坤趣いΔ韦坤ⅳ长欷悉ⅳ蓼辘ⅳ皮摔胜椁胜ぁ5谝弧⒒平黏翁ㄗ渭毠い蛞姢皮狻ⅳ膜そ搐怼ⅳ膜椁欷郡猡韦趣筏激à胜い韦馈
 しかし、ダイヤは本物だから、宝作老人はのどから手が出るほどほしくなった。そこで、いろいろな値段のかけひきがはじまったが、その途中で宝作老人は、幛亭文肖颏饯长瞬肖筏啤⒅淙摔趣栅郡辘恰㈦Oのへやへひきさがった。そして、あれやこれやと相談しているところへ、だしぬけに、隣のへやから聞こえてきたのが、恐ろしい男の悲鳴だったのだ。
 宝作老人と支配人は、おどろいて、さかいのドアにとびついたが、ふしぎなことにそのドアには、むこうからカギがかかっていた。
 それをむりにうちやぶって、なかへとびこんでみると、幛亭文肖蓼撙欷摔胜盲频工欷皮い搿R姢毪取⒈持肖虽劋ざ痰钉膜昧ⅳ盲皮辍ⅳ啶恧蟆⑾ⅳ悉胜ぁ
 宝作老人はおどろいて、あたりを見まわしたが、さっきまで、テ芝毪紊悉摔ⅳ盲看蟊冥⒂挨庑韦庖姢ⅳ郡椁胜ぁ
 しかも、外にむかった窓があいているところを見ると、だれかがそこからしのびこみ、幛亭文肖驓ⅳ筏啤⒋蟊冥颏Δ肖盲铺婴菠郡摔沥い胜い韦坤ⅳ栅筏胜韦稀Ⅻめがねの男の背中につっ立っている短刀だった。それは細い、メスのような短刀なのだが、よく見ると、つばにあたるところに、みょうなものがつきさしてあった。
「それが、すなわち、これなんですがね」
 語りおわって、警部がとりだして見せたものを見て、金田一耕助をはじめとして文彦も三太少年も、思わずアッと息をのみこんだ。
 それは一枚のトランプ、ダイヤのポイント(1)なのだが、中央にグサッと穴があき、しかも、ぐっしょり血にぬれているではないか。三太と文彦は思わずふるえあがった。
「つまり幛亭文肖驓ⅳ工蓼à恕⒍痰钉扦长违去楗螗驻颏丹筏膜椁踏ⅳ饯欷扦猡盲啤ⅴ哎单盲赛めがねの男をさし殺したにちがいないのですが、それでは、なぜ、そんなみょうなまねをしたかというと、それについて思いだされるのは銀仮面のことです」
「銀仮面……」
 金田一耕助はさぐるように、警部の顔を見ている。文彦と三太少年も、きんちょうして、息をのんでいた。
「そうです。金田一さん、あなたはお聞きになったことがありませんか。いまから十何年かまえに、香港に銀仮面という怪盗があらわれたことがあります。その正体は、いまにいたるもわかりませんが、いつも銀色に光るお面をかぶっていて、ねらうものといえば宝石ばかり。しかも、そいつがあらわれたあとには、きっとトランプのダイヤのふだが残っていたのです」
 金田一耕助は文彦や三太少年と顔を見合わせた。警部はなおもこのことばをついで、
「そればかりではなく、銀仮面には仲間というか、子分というか、そういう連中がたくさんあったのですが、もし、それらの連中が、銀仮面の命令にそむいたり、裏切ったりすると、かならずダイヤのポイントがまいこむのです。そして、それから三日もたたぬうちにダイヤのポイントをもらったやつは、殺されてしまうのです。つまり、ダイヤのポイントは死刑の宣告もおなじなんですね」
「なるほど、すると、新宿のホテルで殺された幛亭文肖趣いΔ韦稀€y仮面の仲間のもので、銀仮面を裏切ったがために、殺されたということになるのですね」
「そうです、そうです」
「ところで、その事件の起こったのは、きのうの何時ごろのことでした?」
「だいたい、四時ごろのことでしたろう。宝作老人の知らせによって、われわれのかけつけたのが四時半ごろのことでしたから」
 そうすると、六個のダイヤをちりばめた大宝冠は、きのうの四時ごろまで、新宿のホテルにあったことになる。文彦が大野老人から、黄金の小箱をもらったのも、やはりその時刻だから、おなじダイヤであるはずがない。
 と、すれば世にも珍しい大粒ダイヤが、少なくとも十二個、近ごろ日本にあらわれたことになるが、いったい、それはどこから出たのか……。
 金田一耕助はなんともいえぬ興奮を感じて、めったやたらと、もじゃもじゃ頭をかきまわしはじめた。

     枺紕訾

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